国や地方を情報システムで結び、社会保障や税の行政手続きをしやすくするマイナンバー制度をめぐり、会計検査院が国の関連システムの利用状況を調べたところ、2019年の1年間では役所間の情報連携が想定の5・5%にとどまっていたことがわかった。個人情報の監視システムも設計通りの利用ができていなかった。検査院は26日、「システムの適切な整備を図っていくことが重要」とする調査報告書を国会に報告した。
国民に12ケタの番号を割り振るマイナンバーは、役所ごとに散らばる税や社会保障などの個人情報を一元管理する仕組み。国が13年度以降、約4600億円を投じてシステムを整備・運用してきた。12日にはデジタル改革関連法が成立。預貯金口座とひもづければ公的な給付金の受け取りがスムーズになる。
検査院が調査の対象としたのは、内閣府や厚生労働省などの11の関連システム。19年の年間の情報連携は約6億5千万件と想定されていたが、実績は約3600万件(5・5%)と、大きく下回った。分野別では、想定件数が最大だった「年金」は想定3億4140万件に対し実績が2180万件(6・3%)、「福祉」が想定8638万件に対し363万件(4・2%)だった。「災害対策」は実績が0件だった。
検査院は、連携が進まない背…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル